日光三ッ山羊羹・ごあいさつ

三ツ山羊羹本舗は、明治28年から日光の地で羊羹を作り続けています。
先代である父や祖父の羊羹づくりを幼少の頃から見てきた私にとって、日光の地で羊羹をつくることの意義ははかり知れないものがあります。

羊羹づくりは決して派手なものではありません。材料もいたってシンプルです。三ツ山の羊羹作りしか知らない私にとって、その製法ですら単純なものに思えてしまう時もあります。
当たり前のことを当たり前に日々続けること。それが基本だからです。

伝統を守ることはとても大変なことです。
守るということ。それは、変わらないことではなく、変わり続けることでもあります。
古いものをただ残すのではなく、古くから伝わる良い部分をしっかりと受け継ぎ、それを伝え繋ぐこと。そのためには、これからも残り続けるための環境を作ることも欠かせません。
それが伝統を守るということであり、私の使命でもあると考えています。
みなさんが美味しいと思っていただける「三ツ山の味」を守るには、揺らぐことのない「私のもつ三ツ山の味」と常に真摯に向き合いながら、時代と共に変化する世の中の味覚や嗜好を独自の目で感じて取り入れることが必要です。
そして、その感覚を日光という場所で培うことが、日光の三ツ山羊羹本舗の味を後世にも伝えるうえで重要なことと考えます。

四世代にわたる伝統を次の世代に繋ぐ役目として、創業時より培われた手法を大切にしながらも、常に新しい感性と感覚を取り入れることを忘れず、日々努力を重ねてまいります。 この地の空気と水、文化や歴史と共に。 私たちはこれからも日光と共に歩んでいきます。 本日は三ッ山羊羹本舗のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。心から御礼申し上げます。

三ツ山羊羹本舗　四代目当主 三ツ山 泰弘